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2005年7月29日 (金)

注連縄 Shimenawa

「拘束のドローイング9」のアルバムについて、昨日の続きです。

今回のアルバムはマシュー・バーニーとのコラボですから彼の意見を聞いたり、映画をリサーチしたりしたと思います。つまり"外" からの意向を入れなければならないためにビョーク本人のアーティスト・エゴはかなり抑えられた作品に仕上がっています。これまでの作品がビョークの "内"から湧き上がってきたものを表現してきたことと比べると対照的です。
また、ビョーク本人の音の職人として力量も発揮されています。これまで多くの優秀なアーティストやエンジニアと仕事をしてきていますから、インストゥルメ ントやヴォーカルの処理に関しては相当な知識を持っているでしょう。その引き出しの広さが今回のアルバムをバラエティ豊かな面白いものにしていると思います。アーティストとしてのビョークとコンポーザーとしてのビョークが非常にバランス良く収まっているのが今回の作品といってもいいのではないでしょうか。

とはいえそこはビョークの作品ですから、新たな試みも多いようです。昨日書いたようにホーンを多用した作品もそうですが、一番目に付くところでは日本の古来の音楽を引用した点です。
日本の音を使うといっても中国や他のアジアの国の音楽とごっちゃになってしまって、いったいどこの国の音楽なのかよくわからなかったりすることがありますが(それはそれで面白いですけど)、今回は素材の良さを生かした日本料理のように(?)生っぽく仕上げています。このあたりは日本文化を勉強したというよりも、よく理解してくれている(直感的に?)という印象です。日本文化へのレスペクトを感じます。

最近のビョークのアルバムはあまりに濃密で聴いている側をも緊張させるような作品が多かったですが(ヴェスパタインがピークですね)、今回はバラエティに富んでいてかえって聴きやすいと思いました。

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