« エンド・オブ・タイム End Of Time | トップページ | ザ・ハンド・ザット・フィーズ The Hand That Feed »

2005年10月15日 (土)

ニュー・ワールド・オーダー New World Order

世間では新しいiPod、iMacで盛り上がっていますが、実は私は新しいiPodのVideo機能に今ひとつぴんと来ていなかったんです。

Videoは観ることができればそれに越したことはないですよ、もちろん。
でも大きくなったとはいえあのiPodの液晶でそんなに観るかな、というのが正直な感想。

しかし、この記事を読んで、今回の「One More Thing...」の大きな意味がやっと理解できたような気がします。あの赤いカーテンは新しい動画配信事業の幕が上がることを意味していたんですね。

Apple's Eye : EXTRA ISSUE
実はiPodよりiTunes6.0がすごい

特にApple's Eyeの解説はよく書いてあります。
今回の発表の目玉はコンテンツの品揃えと購入のしやすさ(値段含む)にあるんだなぁ。新型iPodはむしろ脇役なのかもしれない(iPodで動画も観ることができますよ、という程度かも。パソコンの方が観やすいよなぁ、絶対)。

Apple's Eyeからちょっと引用します。

再度スクリーンに、緞帳が映し出された。やっと謎解きの時間が来た。
"pretty big thing" とスティーブ・ジョブズが呼ぶ。iTMS では、ミュージックビデオを買えるようになり、ビデオポッドキャスティングも観られるようになり、そして Pixer のショートフィルムまで買えるようになった。
そして "One more thing which you can buy from iTunes Music Store" (iTMS 上で買うことができるもう一つの物は...) ということが、今日の発表の本当の目玉だったのだ !
答えは、TV show。ゴールデンタイムの高視聴率のテレビドラマだ。前述の「エンドユーザーコンテンツ」の答えもこれだったのだ。
今回はアメリカで最も人気のあるテレビドラマである "Desparate housewives" を始め、"Lost" "Night Stalker" など、ABC の 5 つの TV ドラマが、一話ごとのビデオファイルとして iTMS から購入できるようになった。
すべて CM 抜きで一話 $1.99 と発表すると、大きな歓声と拍手が会場からわき起こった。加えて、これは古いドラマを販売するのではない。現在放送中のドラマも、放送された翌日にオンラインで購入できるのだ。
それを発表した瞬間、会場は再び拍手喝采。ゴールデンアワーの人気番組を、放送翌日にはオンラインでワンクリックで買えるという仕組みが、世界ではじめて実現されたのだ。

日本の場合で考えると最近話題になったテレビの「電車男」。
もしこの1話分が翌日に200円くらいで買えるとしたら...

テレビドラマの場合、半年くらい後にDVDとして発売されたときに買うというのはちょっと熱が冷めているし、値段も高い。でもコンテンツは自分で持っていたい。
こういう人達きっと多いですよ、私も含めて。
もし日本で、アニメでこれを始めたらオタクな人達がどっとやってくるのではないでしょうか。オタクへの福音ですよ、これは。

そりゃあ、画質は普通のテレビに映すにはちょっと厳しいかもしれませんが、そこがまたミソらしいのです。
以下再び引用。

ABC の親会社であるウォルト・ディズニー社のロバート・アイガー CEO が登壇して挨拶。その話しを聞きながらこれはすごい事になったと考えた。
世界中でブロードバンドを使って画像コンテンツを販売する試みが行われてきているが、コストをうまくマネージして利益を出しているのは、アダルト系をのぞけば、恐らく日本の Showtime くらいだろう。
ストリーミングには高い配信コストと不安定さという問題が残り、他方ダウンロード販売には、DRM の複雑な問題を避けて通れない。それを、音楽の販売で 2 千万ユーザーをすでに獲得している iTMS が、その課金 / 販売の仕組みの上に映像コンテンツを乗っけてあっさりやってのけた。
これは、画像がフルスクリーンではないというハンディが逆に幸いしている部分もあるだろう。また画質をそこまで重視しないドラマというのがやりやすいという面もあるだろう。また、ジョブズと関係の深いディズニーだったから先鞭を付けられたということもあるだろう。
しかし、これを皮切りにして、全世界の動画コンテンツオーナーの目の色が変わるのは必至だろう。
この仕組みは、見方を変えれば、これまで Tivo や HD レコーダーという形でハードメーカーが主導だった市場を、テレビ局 (コンテンツオーナー) と Apple (サービス事業者) が取っていく、ハード TV からソフト TV への大きな構造変革の始まりなのだ。日本の放送局は地上デジタル放送に忙しいようだが、この変化を見逃してはならない。
今日 10 月 12 日は、放送業界にとって大きな変革の始まる記念すべき日になるのかもしれない。


日本では楽天とTBSがネットと放送の融合とかなんとかやっていますが、よそでは、単なる弱小コンピューター会社がそれを楽々とクリアしています。
またAppleという会社が大好きになりました。ぱちぱちぱちぱち。

|

« エンド・オブ・タイム End Of Time | トップページ | ザ・ハンド・ザット・フィーズ The Hand That Feed »

コメント

はじめまして。目からうろことはこのことです。
アップルのすごい戦略だったんですね。確かに日本の経営者にはこういう発想ができないのが、限界なんでしょう。800億もぶち込んで株買ってもっとおもしろいこと生み出せるの?かなあ。これからもちょくちょくよらせてもらいます。ありがとうございました。

投稿: とんとん | 2005年10月15日 (土) 10時15分

トラックバックありがとうございました。いやいや、今回の発表には興奮させられましたね。

Mac関連のブログを拝見すると、皆さん今回の動画配信の意義に注目されているようです。正直、"皆さん見識が高いなぁ"と感心させられる一方です(笑)。

放送局ベースでは番組のHD化に伴い、Appleベースの機材の導入が進んでいると聞いています。FinalCutなどのプロ向けの動画編集ソフトから簡単に動画配信できる仕組みを整えれば、その土壌が活きますね。折しも、間髪を入れずに10/19にプロ向けに関するApple Eventが開催されるという情報があるそうです。
http://www.appleinsider.com/article.php?id=1322


今年のAppleは本当に凄いです…。

投稿: Solid Inspiration | 2005年10月15日 (土) 12時24分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/109279/6405957

この記事へのトラックバック一覧です: ニュー・ワールド・オーダー New World Order:

« エンド・オブ・タイム End Of Time | トップページ | ザ・ハンド・ザット・フィーズ The Hand That Feed »