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2005年12月 2日 (金)

ゴー・イット・アローン Go It Alone

Beckの「Guero」。これは気に入っています。

beck

ただ賛否は分かれそうですよね。最大の問題は、いろいろな所で指摘されているように「Odelay」と佇まいが非常に似ているということですね。確かに私も良い曲を集めて完成度を上げた「Odelay」パート2だなぁと素直に思いました。
でも「私はそれを待っていた!」ので、喜んで聴いているのです。

自分の最高傑作と讃えられた作品(「Odelay」ですね)のクォリティを5割くらい上げて新作を発表しても、「良いんだけど、似てるからなぁ」で片づけられてしまうBeckも可哀想ではあります。


でもあまり深く考えない私は、「このアルバム大好き!だっていいじゃん」と宣言してしまいますし、「似ていて何が悪いの?」とも単純に思ってしまいます。

「同じで悪いか!」の例えに出されるのは必ずストーンズと決まっていますが、彼らのように古典(ロックンロールとかR&Bとか)を少しずつチューンアップして発表するのは大歓迎されて、Beckのような音楽性(オルタナティブというかミクスチャーというか)を持った人達は自分の持ち味をチューンアップさせると、”もはや古くさい”とか”後退した”とか言われてしまうのですね。

ロックンロールも50年代だか60年代だかよく知りませんが、やはり最新型だったはずです。魅力的なフォーマットだったためにあまりに多くのフォロワーを生んで、手あかにもまみれてしまって、ジョニー・ロットンに「ロックは死んだんだよ」とか言われながらも生きながらえています。というかフランツ・フェルディナンドみたいな人達がどんどん出て来るし。

そうなってしまうと、「良い」「悪い」「好き」「嫌い」意外の物差しはなくなってしまいますね(「新しい」という物差しは残念ながら...無い、かなぁ)。そして「新譜を出してくれただけでありがたや」とか「この声が聴けただけで私は満足」とかいう不思議な評価が可能になってしまうんだろうなぁ。私も中年なのでそのキモチはよくわかります。「ニュー・オーダーの新譜出たー、ひーっ。」と錯乱状態になりましたから。

ミクスチャーと呼ばれる音楽をBeckほど聴きやすくポップに(品良く)料理する人は、今のところ他に私は思い当たらないなぁ。彼の根っ子はかなりアバンギャルドだと思うのですが、これほど大衆性を持っているのは彼のポップセンスによるものが大きいでしょう。だからでしょうか、彼のフォロワーも現れないようですね。

みんながこぞって「Odelay」のバッタもんを作ろうとするような世の中であれば彼は突出した存在であり続けるんだろうけど、彼、孤独です。
グランジ後の混沌期に名乗りを上げて、みんながついてくるかと思ったらひとりぽつーんと。同期の人達、ほとんどいなくなっちゃってるし。
今の状況では、さらにクォリティを上げた「Odelay」パート3を創り上げても、「なんか前のと一緒だよね、これ。ぱっとしないんじゃないの」とか言われてしまう可能性大かも。比較する相手が居ないのは逆に大変なことでもあります。

私の好きなアーティストにボウイやプリンスがいますが、革新的でいられたのはやっぱり10年間(異論のある方、これはあくまでもひとつの考え方です)。
その後はクォリティ高くてもパッとしないとされてしまっています。
余談ですけど、私の好きなあと二人のデイヴィッド(バーンとシルヴィアン)は前線から一歩引いたところで好きなことやって、今すごく良い立ち位置に居ると思います。

私は評論家じゃないから、
「良いんだよ、このアルバムで。次もその次もこの路線で行って欲しいよ」
と今は本気で思ってます。

でも移り気な消費者でもありますので、そのうちすっかり忘れてしまって違うこと言い始めるかもしれませんけど。

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コメント

Guero、好きです。Odelayよりずっと。
Odelayは一生懸命凝った事をしようという意気込みが先行している感じで、Gueroの方がゆとりがあるんですよね。流れもいいし。
ということで、評論家の評価は知らないけれど、私はGuero賛成派(?)です。

投稿: glasshouse | 2005年12月 2日 (金) 15時54分

私も好きなんですけどね、このアルバム。

ただ「Odelay」はBeckの代表作というだけではなく、時代の代表作ですから「Guero」はちょっと分が悪いです。

投稿: るき | 2005年12月 2日 (金) 16時54分

自分も20代半ばくらいまで「新しい」って物差しがあったような気がしますけど、最近はむしろ「古くさい」っていう物差しの方が大事かも(笑)

投稿: Krush Bros. | 2005年12月 2日 (金) 18時17分

「Odelay」はよく聴きましたね★ というかベックは「Odelay」しか持ってないんです(^^; なぜかベックのTシャツはよく着てますけども。。

投稿: しょーた | 2005年12月 2日 (金) 19時09分

Krush Bros.さん
私も最近は新しモノはちょっとつらいですね。やはり年なのでしょうか。

しょーたさん
BeckのTシャツかいいなぁ。「Odelay」がお好きでしたら「Guero」も良いかもですよ。

投稿: るき | 2005年12月 3日 (土) 07時20分

最近のポップミュージックは昔あったパターンを繰り返したり混ぜたり組み合わせてるだけで「真に革新的な音楽」なんてのに出くわした記憶ってほとんどないですよね。でもポップミュージックなんだから新しくなくたって楽しく聴ければそれでええやんって思います

投稿: Krush Bros. | 2005年12月 3日 (土) 09時31分

るきさん、こんにちは。ベック(こんな表記でよいのか?)はまだ聞いたことがないのですが、映画のサントラに使われていて、凄くよいなあと思っていました。

さて私のブログにてアンケート、行っています。ぜひとも協力していただければうれしいのですが。

寒い中、職場環境変わって大変と思いますがご自愛ください。

投稿: ぷくちゃん | 2005年12月 4日 (日) 21時12分

ぷくちゃんさん。こんにちは。
ベック、お勉強のために1枚くらいさらーっと聴いてみて、「もうミクスチャーはもう終わっちゃったね」とつぶやいてみるとちょっとかっこいいかもしれません。

アンケートはもう少しお時間を。

投稿: るき | 2005年12月 5日 (月) 07時36分

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