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2007年1月21日 (日)

悲しい支度、青白いたいまつ Tristes Apprets, Pales Flambeaux

映画「マリー・アントワネット」を観てきました。
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悪くない、悪くないですよ。私は結構好きですね。

オープニングがカッコよろしいですね。タイトルの”MARIE ANTOINETTE”がギャング・オブ・フォーの「Natural's Not In It」に乗って現れるのですけど、そのロゴがピストルズの「Never Mind」のコピーなんですよね。なかなかいい感じです。ついサントラ買っちゃいましたよ。

映画は「ベルサイユのばら」で見覚えのあるストーリーが続いていきます。ポリニャック夫人とかフェルゼン候とか主要登場人物をほとんど知っていたので我ながら驚きましたね。ベルばらおそるべし。

話は誤解を恐れずに言えば「退屈」。「マリー・アントワネット」というタイトルから大河ドラマ的なお話を想像している向きにはきっと期待外れでしょう。
このお話は、ちょっと若くてかわいいけれど特に取り柄の無い「退屈な」おんなの子のお話です。彼女の「退屈」を紛らわせるための日常を終盤まで延々と描いていきます。おんなの子の興味はきれいなもの、かわいいもの、おいしいもの、刺激的なことで今とちっとも変わりません。
かわいい洋服(ドレス)を選んだり、コンサート(オペラ)で盛り上がったり、クラブ(仮面舞踏会)で夜遊びしたり、おとこの子とデートしたり....その様子を執拗に追い続けます。いつも楽しそうに遊んでいるんですけど一人になると寂しそうな目をしています。ようやく子供が産まれてもペットをかわいがるようでもあります。

終盤になって彼女の周辺がにわかに騒がしくなりますが(フランス革命)、ほんとうに最後の最後に民衆と対峙してそれからようやく大人の顔になります。革命によって「退屈」から開放されるのです。最後に無残に破壊された彼女の部屋が一瞬映し出されそこで映画はぷつりと終わります。この映画の主題は彼女の「退屈」なので「退屈」から開放された彼女には関心はないのでしょう。

この映画では人間模様はほとんど描かれません。ベルばらの濃密な世界を期待して足を運んだ人たちは怒り出すかもしれませんね。アントワネットと(わずかに)ルイ16世以外にはほとんど人格が感じられないですもん。いや厳密に言えばアントワネットの人格もあまり描かれません。この映画を見て我々に判ることは、彼女は何が好きで何が嫌いかということ”だけ”だから。
この映画は彼女の「退屈」を一緒に味わうためにあります。

主演のキルスティン・ダンストって美人でもないしなんかぱっとしないなぁ、とつねづね思ってたんですよ。どうしていろいろ使われるのか不思議でしょうがなかったのですが今回考えを改めました。とってもキュートで良い女優さんでした。ちょっと好きになっちゃった。

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コメント

るきさん、こんにちは。実はこの記事のトラックバック、私のところに5回来ました。(爆)

そこでコメントを。

私はこれ大好きな一本です。出来たらDVDを買いたいような気がします。

>考えを改めました。とってもキュートで良い女優さんでした。ちょっと好きになっちゃった。

私のほうが先に好きになりました。(←馬鹿)

投稿: ぷくちゃん | 2007年2月 2日 (金) 19時56分

ぷくちゃんさん、ごめんなさい。

決して意地悪ではないんです。でもごめんなさい。
ココログの調子が悪いのでしょうか。

投稿: るき | 2007年2月 2日 (金) 20時48分

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