2007年8月 5日 (日)

アナーキー・イン・ザ・ムジーク Anarchy In The Musik

昨日はくるりの鹿児島公演に行ってきました。

今回のツアーは「ワルツを踊れ」に合わせてのものですが、副題は「ふれあいコンサート」となっていて相変わらずヒトを食ったものです。

前回くるりの公演を見たのは「アンテナ」発表後のツアーでライヴハウスのオールスタンディングでしたが、今回はホールコンサートでした。今回のアルバムはオーケストラとの共演が目玉だったので、小規模のストリングスを連れて来るのでは、と予想していたのですがそれはありませんでした(かわりにバックコーラス3人組「サスペンダーズ」を引き連れてました)。

さて中身です。演奏されたのは旧譜からの曲が少なくて、ほとんどが新譜からだったので、「あの曲を聴きたい!」と思って足を運んだファンはちょっとがっかりかも。

新譜をライヴの演奏で聴くと、また違った感覚。これがやっぱりライヴの醍醐味ですね。オーケストラ無しがどう影響するか少し心配でしたが、基本的に曲が良いので不足感はまったくなかったなぁ。
このライヴは前半、後半が分かれていて前半の約1時間が終わったところでなんと15分間の休憩が入りました。ロックコンサートで休憩が入ったのは初体験。前半はほとんどが新譜からでミディアム〜スローな聴かせる曲のオンパレード。
後半は「ばらの花」などのおなじみ曲も交えてぐいぐい行きます。ハイライトは”ブルージーな”「ハム食べたい」(あまりの「渋さ(?)」に苦笑)と「アナーキー・イン・ザ・ムジーク」。この曲での岸田君のキレ具合は最高だったね(個人的には、この曲はくるりのマスターピースになりそうな気がします)。

あと今回はMCが多かったのも特筆すべきところでしょう。びっくりするくらいしゃべってました。昔に比べると余裕が出てきたってことかな。聴いてるほうの集中力が切れてしまうので、MCはこのくらいで留めておいて欲しいですね、個人的には。

あきらかにターニングポイントとなる今回のアルバムとツアー。従来のファンを振り落としてますね。これが良かったのか、悪かったのかは、次のアルバムでわかるでしょう。

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おまけについてきたステッカー。使い道が....

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2007年5月 8日 (火)

いつか王子様が Someday My Prince Will Come

いやいや連休終わりましたね。

連休後半は2泊3日であちこち回りました。今回の成果の一つは蜷川幸雄の「恋の骨折り損」鑑賞です。北九州芸術劇場です。

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シェイクスピアですよ、ニナガワですよ。自分でも以外なほど面白かったなぁ。
出演はオールメール(出演者はすべて男性です)だったせいか、客席は8〜9割は女子の方々でした。カーテンコールの時は観客のヒト(もちろん女子)が興奮して前に出ていって係員のヒトに止められてましたよ。
芝居は喜劇です。お姫さまにふんする男優さんはみんなハンサムぞろいですから、女装だけで笑いをとるのとは訳が違います。脚本、脚色、そしてもちろん演出がよかったんだろうな、と思います。

北村一輝さんが主演だったんですがかっこよかったですよ。そしておかしかった。私のこれまでの印象ではどうも「ホストっぽい」とか「やくざっぽい」イメージしかなかったのですが(だってそういうカッコさせるとすごくよく似合うからなぁ)ちょっと考えを改めました。お姫さまお付のロザライン役内田滋さんも熱演でした。とか書きはじめるとキリがないくらいどの役者さんも芸達者でとてもよくできた芝居だったです。

上演時間は休憩も含めると3時間ちょっとくらいだったのですが全くだれることなく最後まで楽しみました。やっぱりたまにはお芝居も良いものです。

公演プログラムから「いいオトコさん、いらっしゃ〜い」の図。女子がうるさいわけだ。

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2006年12月26日 (火)

ザッツ・エンターテインメント That's Entertainment

この前の土曜日は博多座へ文楽を見に行ったんですよ。

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文楽初めてだったんですけどね、いや、面白かった。想像以上に。
定番中の定番であったので(仮名手本忠臣蔵)素人にも分かりやすかったとは思うのではあります。

当然人形はしゃべりませんから太夫がうなるんです(台詞を話したり、状況を説明する)。慣れるまでは違和感あるかなぁ、なんて思っていましたが舞台が始まると全くそんなことが気にならなくなりました。そしてこれがまた渋いノドなんだな。こういう声を心地よく聴くことができるのはやっぱり日本人だからでしょうか。

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やっぱりなんといっても人形の動きです。人間の所作をデフォルメしているのですが、人間にはできないような動作もするんですね。かといって「いかにも人形が動いてる」とか「人間が動かしている」感じがしないのが本当に不思議。いや不思議。オーバーなんだけど自然な動作というのかな。

家の中から外にでるときは人形がわざわざわらじを履いたり、荷物を横においてふろしきに包んだりとか、なんかそういう本筋とはあんまり関係ないような小さな動きがねー、かわいいんですよ。あとイノシシも出た。これもかわいいんだわ。

公演は16時から20時までだったので途中で眠ってしまわないか心配だったけど、もう全然大丈夫。今から来年を楽しみにしてます。今回は2階席だったので次はもっと良い席をゲットしたいなぁ。

文楽は絶対お勧め。歌舞伎より面白いかも、です。

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2006年7月23日 (日)

ハッピー・トゥゲザー Happy Together

そうそう、ちょうど1週間前の土曜日、イッセー尾形さんの一人芝居に行って来たのでした。
イッセーさんを見るのは昨年に引き続いて今度が2回目だったのですが、当然全て新作です。いや笑った。
何というかなぁ、神様はこんなところに降りて来て仕事してるのか、という感じです、大げさに言えば。
もう私などには批評は不可能。いっぺん見てください、としか言えないなぁ。
最高にハッピーになれます。これホント。

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芝居が終わってこっそりと誰もいない舞台を撮りました。ごめんなさい。

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2005年10月17日 (月)

シャビィ・ドール Shabby Doll

先週の東京行きの2番目の目的は久しぶりの歌舞伎鑑賞にありました(もう1週間経ってしまった。早いなぁ)。

芸術祭10月大歌舞伎ー歌舞伎座

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私が観たのは夜の部で次の3本です。

1. 双蝶々曲輪日記(ふたつちょうちょうくるわにっき)
引窓

2. 日高川入相花王(ひだかがわいりあいざくら)
坂東玉三郎人形振りにて相勤め申し候

3. 心中天網島
玩辞楼十二曲の内
河庄(かわしょう)


「河庄」は坂田藤十郎襲名のため、鴈治郎名での最後の舞台だったらしいです。

玉三郎の日高川入相花王は良かったです。
この芝居は "人形ぶり" とよばれるものらしいのです。文楽は人形がヒトの動きを表現するものですが、 "人形ぶり" はヒトが文楽の人形の動きを表現するものです。
ですから

"ヒトの動きを表現しようとする" 人形(文楽)の動きを
ヒト(玉三郎)が演じる。

という屈折した芸なのです。
ですから玉三郎は "人形" 役で、その後ろには人形遣い(菊之助)が玉三郎を操るような仕草をしています。

玉三郎は "人形" 役ですから人形のような少しかくかくした動きとか、文楽独特のしぐさをとったりするのですが、文楽自体はヒトの動きを表現しようとするものですので、あまりに人形のように演じると逆に文楽のリアリティが薄くなってしまうので、そのさじ加減が "芸" なんでしょうね。
最後の木にもたれかかるところまで、まさに一大スペクタクルでとてもスリリングでした。

前の日に杉本博司展を観ていたので、その屈折した感じが余計に楽しめたのかもしれません。

渡辺保という歌舞伎評論で著明な方のHPを見てみると「櫓のお七」の人形振りという傑作に比べると少し見劣りするということですが、私はとても楽しめました。
ということは「櫓のお七」はどのくらい素晴らしいのでしょう。はーっ、観てみたい。

あと「引窓」の左團次演じる濡髪長五郎(お相撲さん役)がプリティだったなぁ。
「河庄」の紙屋治兵衛役の鴈治郎はあたまが大きくてとっても舞台に映えます。とてもすてきでした。

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